コラム/脳震盪について

しげむら整骨院コラム/脳震盪について。

● コラム【脳震盪】について。

■ 『脳震盪』について。

今回のしげむら整骨院コラムは、『脳震盪』についてです。
脳震盪は先日のフィギュアスケートの世界大会での羽生選手やサッカー日本代表の香川選手に起こった症状として、世間一般によく目にしたと思います。
スポーツ中に限らず脳震盪は日常生活においても起こる可能性があるので、まず脳震盪とはどのようなものなのかを説明します。


『脳震盪』とは?

■ 『脳震盪』とは?

脳震盪とは、頭部に外力が加わった結果生じる、一過性の意識障害、記憶障害をいいます(意識障害は必ずしも意識消失とはならず、意識の変調もある)。

この障害は可逆的(元に戻る)なものであって、脳の器質的な損傷(脳自体の損傷)は原則として伴いません。

以下に、日本ラグビーフットボール協会の安全対策マニュアルに示されている脳震盪の定義を示しました。

「グラウンド上で明らかに頭部打撲が認められ、受傷時に応答(意識の状態)、あるいは身体活動に何らかの異常が認められたものは、すべて競技規則にいう脳震盪に該当する」とされています。

原因としては頭部に強い外力が加わった際に起こるので、アメリカンフットボール、ラグビー、ボクシング、アイスホッケー等のコンタクトスポーツや、体操、乗馬、スキーなどの、転倒して頭部を強打しやすいスポーツに好発します。

『脳震盪』イメージ写真1。

『脳震盪』の症状。

■ 『脳震盪』の症状。

脳震盪の症状としては、意識があっても頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気、目のかすみが見られます。

さらに症状が強くなると、記憶消失(名前、生年月日、住所、受傷時、その後のことなどを質問する)、ろれつが回らない話し方、呼吸・脈拍不整などが見られます。5分以内の意識障害で頭痛があれば、重症の場合もあるのでドクターに必ず診察してもらう必要があります。

5分以上の意識障害は重症なので、直ちに病院へ搬送するようにしましょう。

また、頭部外傷には頸椎捻挫、むち打ち症状(頸痛、肩こり)が合併しやすいことも心得ておきましょう。

『脳震盪』イメージ写真2。

『脳震盪』の応急処置。

■ 『脳震盪』の応急処置。

脳震盪の応急処置はまずは安静にして休ませ、意識レベル、呼吸、脈拍のチェックを行います。次に頭、頸部のアイシング、そして意識があっても手足の麻痺がないかをチェックします。意識障害のあった選手には窒息の恐れがあるので水を与えないようにしましょう。
競技に復帰させる際は明確な意識障害を伴う頭部打撲より、むしろ症状が軽くて早急に競技復帰の可否判断を求められる例が問題となり、意識消失の有無で大きく分かれます。
意識消失(-)、記憶(-)の消失、頭痛、吐き気、めまいもなくジャンプやダッシュでも平衡感覚に異常がなければ競技は復帰可能です。
ただし頭痛や顔面蒼白があったり、興奮状態のときは復帰させず監視下に置くべきです。

脳震盪の重症度と競技復帰のガイドラインとして下記のように言われているので参考にしてみてください。
1(軽症):意識消失(-)、外傷性健忘が30分以内の場合→1週間無症状なら競技復帰は許可する。2(中等症):意識消失は5分以内、外傷性健忘が30分以内→1週間無症状なら競技復帰は許可。3(重症):意識障害5分以上、外傷性健忘症が24時間続いた場合→競技復帰は最低1ヵ月を要する。

脳震盪は起こったその時は選手も興奮状態にありプレーを続けたがることが多いですが、続行することによる危険性もあるので、周りの冷静な判断が必要となります。少しでも異常が見られるなら医療機関への搬送をするようにしてください。

手の写真。

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