芦屋市でコンパートメント症候群の治療ならしげむら整骨院。
■ 『コンパートメント症候群』について。
今回のコラムは『コンパートメント症候群』についてです。
まずコンパートメント症候群とは、スポーツや交通事故による打撲、骨折、脱臼による出血などで組織内圧が上昇して、細動脈の血行障害を引き起こし、筋腱神経組織が壊死に陥る障害です。
いったん組織が壊死に陥ると、機能障害は永久的になるため初期の迅速な判断が重要です。特に下腿に好発し、その理由は筋膜などで4つの小さい区域(前方・側方・浅後方・深後方)に区画されているため、内圧が上昇しやすいため下腿に起こりやすいとされています。
急性例ではスキー、ラグビー、バスケットボールに、慢性例では陸上長距離、サッカーなどのスポーツで比較的よく見られます。
■ 『コンパートメント症候群』の症状。
症状としては、各部位での疼痛、腫脹、圧痛、硬結(しこり)、運動時痛、コンパートメント内にある神経麻痺による知覚麻痺、他動的運動障害、他動的運動時痛を認めます。
①前方コンパートメント障害は最も頻度が高く、疼痛・腫脹・圧痛は下腿前外側にあり、深腓骨神経領域の知覚障害(第1、2足趾間)、筋力低下は足関節背屈(前脛骨筋、趾伸筋)にあり、他動的運動時痛は足関節と足趾の底屈時に存在します。
②側方コンパートメントでは圧痛は外側にあり、浅腓骨神経領域(下腿外側)の知覚障害、足関節外返し(長短腓骨)で筋力低下、足関節の内返しで他動的運動時痛、が出現します。
③浅後方コンパートメントでは圧痛は後方(ふくらはぎ)にあり、腓腹神経領域の知覚障害、足関節の底屈(腓腹筋、ヒラメ筋)筋力低下、他動的足関節の背屈時痛があります。
④深後方コンパートメントでは圧痛は後方(下腿内側)にあり、脛骨神経領域(足底内側)の知覚障害が見られ、足関節の後脛骨筋、足趾伸筋筋力低下、足趾の他動的背屈時痛があります。
■ 『コンパートメント症候群』の治療法。
治療法としては、急激な疼痛や腫脹、変形がある場合は直ちに医療機関に搬送しましょう。
応急的にはRICE処置を行います。上記コンパートメント症候群の症状に、骨折などの原因を把握して対処します。
慢性例では前脛骨筋や腓腹筋、腓骨筋などのストレッチを含めた練習前後の管理を十分にして、エキセントリックな筋力訓練は避け、コンセントリック筋収縮筋力トレーニングを中心に行います。
当院では上記に加えアキュスコープ・マイオパルスにより疼痛や腫脹を減退させながら早期の回復を目指します。
■ 『コンパートメント症候群』は早めの受診を。
コンパートメント症候群は、打撲や筋挫傷などの外傷から徐々に進行して発生します。
処置が遅れると、神経や筋に不可逆性の変化をきたす恐れがあります。よって、コンパートメント症候群予防のためには、原因となる外傷の応急処置を的確に行うことがポイントとなります。
少しでも違和感や痛みがあるなら放置せずに早めに医療機関の受診をお勧めします。