芦屋市でSLAP損傷(肩関節上方関節唇損傷)の治療ならしげむら整骨院。
■ 野球肩その3『SLAP損傷(肩関節上方関節唇損傷)』について。
今回のしげむら整骨院コラムは、前々回の野球肩その1『インピンジメント症候群』、前回の野球肩その2『リトルリーグショルダー』に続き、 野球肩その3『~SLAP損傷(肩関節上方関節唇損傷)~』についてです。
SLAP損傷とはSLAP=Superior Labrum Anterior and Posterior(上方関節唇)の略で、肩の上方に痛みを伴います。
特に選手は「肩の奥のほうが痛い」と訴えることが多く、投球動作を繰り返すことで起こりやすく比較的よく見られるスポーツ障害です。
野球のほかにはバレーボールやバドミントンなどのオーバーヘッドスポーツで好発します。
症状としては投球動作のコッキング期(振りかぶった状態)からアクセレレーション期(ボールを離す前まで)に痛みが生じ、日常生活においては『頭上から背中に手を回す』、『痛い腕で反対側の肩をつかむ』などの動作に痛みが出現しやすくなります。
■ 『SLAP損傷(肩関節上方関節唇損傷)』の分類。
SLAP損傷は下記の4つに分類されます。
TypeⅠ・上方関節唇辺縁のすり切れのみ。
TypeⅡ・上方関節唇と上腕二頭筋長頭が関節唇から剥離し、二頭筋腱付着部が不安定となったもの。
TypeⅢ・上方関節唇がバケツ柄状に損傷し、関節内に転位しているもの。関節唇と二頭筋腱付着部辺縁は残っている。
TypeⅣ・バケツ柄状の損傷が二頭筋腱にまで及ぶもの。
TypeⅠとⅡは保存療法が選択されますが、TypeⅢとⅣは手術の適用となることが多いです。
■ 『SLAP損傷(肩関節上方関節唇損傷)』の原因。
SLAP損傷の原因としてはオーバーユースによるものが多く、そのメカニズムとしては、肩関節が十分な機能を発揮するためには肩関節包,腱板,滑液包,三角筋などの軟部組織の協調運動が必要です。
したがって肩関節包や腱板、滑液包、三角筋により構成される肩関節の滑走機構のいずれに障害が発生しても肩機能には障害が発生します。
肩関節唇は膝半月板と同じく、関節の動きをスムーズに誘導する役割と、骨同士がぶつかる衝撃を和らげる働きをしていますが、度重なる外力(主に圧迫力)により損傷します。
■ 『SLAP損傷(肩関節上方関節唇損傷)』の治療。
SLAP損傷の治療法としては急性期は安静とアイシングが主になりますが、SLAP損傷は自然治癒が困難と言われています。
しかし保存療法で損傷部位への負担を軽減することで症状が軽快するとされており、肩関節のは可動域向上や肩関節後方線維のストレッチが効果的だと考えられます。
他部位の原因としては体幹筋力低下や肩甲骨・体幹の動きの制限、股関節の柔軟性の低下等がオーバーヘッドスポーツの全身運動を通じて、肩関節に負担をかけますので全身的なコンディショニングが必要となります。
当院ではアキュスコープ・マイオパルスによる患部の疼痛や炎症の早期の除去を行ないながら、バランス療法により肩関節にかかる負荷を減らし改善を行ないます。
SLAP損傷は放置してもなかなか改善が見られず慢性化してしまうのでお早目の受診をお勧めします。