しげむら整骨院コラム 熱中症対策・予防。
■ 『熱中症』の主な原因。
身体的な原因としては、脱水、体温上昇、電解質バランス障害、血液循環障害などの病態によって起こります。
旧厚生省の人口動態統計によると、1970年から90年までの20年間で1450人が熱中症で死亡しており、死には至らなかったものの、熱中症を発症した件数はその20倍以上ともいわれています。
スポーツ障害のなかでは最も致死率の高い障害ですが、近年の温暖化の影響もあり、自宅での日常生活においても発症することが多くみられるようになってきました
発症時期は4~9月と幅広く起こりますが、7~8月に圧倒的に多数発生します。
発生時刻は10~14時に多く、10時以前や18時近くに起こるケースもあります。
発生に至る練習時間は4時間以内が顕著ですが、1時間以内(ランニングなど)で起こることもあるので注意が必要です。
■ 『熱中症』の分類。
熱中症は大きく分けると、熱失神、熱疲労、熱ケイレン、熱射病、の4つに大別されます。
① 熱失神 :皮膚血管の拡張による循環不全で血圧が低下する。脳に血液が行かなくなり、顔面蒼白、めまい、失神、呼吸回数の増加などが起こる。
② 熱疲労 :皮膚や筋肉などの末梢血液量の著明な増加に対し、心臓からの血液供給が間に合わずに末梢循環不全に陥る。発汗による脱水で疲労が助長され、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられる。
③ 熱ケイレン :大量に汗をかいて水だけを補給していると、血液中の塩分濃度が低下(ナトリウム欠乏脱水)して、足、腕、腹部の筋肉痛やケイレンなどが起こる。マラソン中に足が突っ張って走れなくなるのも、ナトリウムの欠乏が原因である。
④ 熱射病 :最も重症な状態。体温の上昇で脳の中枢機能に異常をきたし、意識障害が起こる。うわごとを言ったり、呼んでも答えなかったりするなどの症状がみられる場合には、死亡率が高い。
具体的にいうと、
軽症:喉の渇き、筋肉ケイレン。中等度:頭痛、めまい、脱力感、吐き気、顔面蒼白など。重症:皮膚が熱くなり乾燥する、40度を超える著明な高体温、傾眠、見当識消失、意識障害、ショック状態などの非常に危険な状態。
とされています。
■ 『熱中症』の応急処置と予防。
応急処置としては電解質を含んだ水分の補給や、身体を冷やすことが最も重要ですので、できる限り早めに行いましょう。
直射日光の当たらない木陰などに足を高くして寝かせ、表面(首、脇下、大腿部の付け根など血流の表面化している所)を氷や濡れタオルで冷やしながら風を当ててください。
吐き気、高体温、意識がもうろうとしているときは、すぐに病院に運びましょう。酸素吸入や生理食塩水の点滴が有効で、倒れてから治療を行うまでは一刻の猶予もありません。
予防法としては、25℃以上の環境下では要注意とされており、運動前から水や電解質の入った水分補給を行いましょう。
運動後の体重減少の多くは発汗によって水分が減少したからであって、それだけ脱水状態にあるということです。
体重制限のあるスポーツでは脱水になりやすいので、体重変化などに注意してください。
また、軽快な服装で風通しをよくし、睡眠不足や体調不良の状態で練習に臨んだり、炎天下に長時間いたりするようなことは避けましょう。
日常生活においては喉の渇きを感じる前に水分補給をし、暑いのを我慢せずにクーラーを有効的に使用するのをお勧めします。
この際の水分補給は水やお茶ではなく少し薄めたスポーツドリンクなどが効果的です。
まだまだ暑い日が続きますが熱中症に注意して、この猛暑を乗り切りましょう。