芦屋市でフットボーラーズ・アンクルの治療ならしげむら整骨院。
■ 『フットボーラーズ・アンクル』について。
今回のコラムは『フットボーラーズ・アンクル』についてです。
まずフットボーラーズ・アンクルとは、欧米ではよく知られているサッカー選手に多く発生する足関節の障害で、別名、衝突性外骨腫とも呼ばれています。
サッカーのキックやバスケットボールのジャンプ時などで足関節の底背屈運動が強制され、骨同士が衝突して起こる骨の増殖変化をきたすスポーツ障害です。
■ 『フットボーラーズ・アンクル』の原因。
原因としては、キックなど他動的な足関節の底屈強制により、足関節前方関節包が過伸張され損傷したり、踏み込んだときに背屈が強制されたりすることによって、骨同士が衝突して骨軟骨の損傷をきたします。
この損傷の修復機転として骨棘が形成されるものと考えます。
特に足関節捻挫の既往がある選手は、足関節の安定性を確保する靱帯が損傷し、靱帯が断裂したまま再生されない場合や、再生されても靱帯が伸びた状態で癒着すると、関節の安定性が失われて運動や歩行などの際に関節が異常な動揺を起こすことがあります。
この関節動揺により脛骨の関節面と距骨の関節面が互いに衝突し、関節面を傷つけてしまい、傷ついた関節面には修復反応により骨が増生され、やがて骨棘などを形成するわけです。
骨棘を形成すると、関節運動の際にその骨棘が障壁となり関節の運動範囲が制限され、また骨棘の刺激による疼痛や炎症を生じます。
■ 『フットボーラーズ・アンクル』の症状。
フットボーラーズ・アンクルの症状としては…
キックやジャンプ時の足関節の自発痛、圧痛、運動時痛、骨棘の触知、
また症状が進行すると、足関節の可動域制限をきたします。
関節前面の骨棘の存在は背屈制限の、
後面の骨棘は底屈制限の原因となります。
■ 『フットボーラーズ・アンクル』の治療と予防。
治療法としては、急性期は疼痛、腫脹に対して局所の安静とアイシング、その後ホットパック、超音波、低周波などの物理療法を行います。
関節可動を制限するためのテーピングやサポーター等の装具も有効です。
疼痛が強いときは変形性関節症と同様にヒアルロン酸やステロイド注入も行います。
保存療法で症状が改善しない場合や骨片が遊離した場合は、手術で骨棘を切除、摘出することがあります。
初期のリハビリテーションは、足関節の非荷重可動域訓練から開始します。次にチューブによる軽い負荷をかけた足関節の運動を行い、エアロバイク、プール歩行へと徐々に負荷を増していきます。
当院ではアキュスコープ・マイオパルスによる疼痛の除去、stim upを使用した運動療法により早期の症状の改善を行います。
フットボーラーズ・アンクルは長期化しやすい症状なので根気強く治療とリハビリを続け、筋力強化(特に腓骨筋群)を行い再発の防止を目指すのがよいと思われます。