芦屋市で野球肘の治療ならしげむら整骨院。
■ 『野球肘』について。
今回のコラムは『野球肘』についてです。
まず野球肘とは名前のごとく、野球によるスローイング動作、特に成長期の投手に多く発生するオーバーユース(使いすぎ)に起因し、投球側の肘の内側や外側や後方に発生する投球時の疼痛が主症状であるスポーツ障害で、徐々に発症する場合が多く、慢性化しやすいため肘の疼痛が出現したら注意が必要です。
■ 『野球肘』の原因。
原因としては先に述べた通りオーバーユースが挙げられます。
少年期~成長期では骨や軟骨、靭帯、筋肉などが未発達なため、体と連動した一連のスムーズな投球動作が困難なので、投球フォームは手投げの状態となり、肘に負担がかかり易くなり起こるのが一般的です。
また詳しくは後述致しますが、野球肘には内側型、外側型、後方型に分別されます。
■ 『野球肘』の分類(内側型・外側型・後方型)
『内側型』は尺側側副靭帯と呼ばれる、肘の内側にある靭帯が繰り返しの投球動作により部分断裂を起こし、靭帯が緩んだ状態(靭帯機能不全)になるもので、肘の内側の出っ張り(内上顆)の少し下側に圧痛があります。成長期であれば、靭帯が損傷するかわりに内側上顆と呼ばれる骨の出っ張りの部分の成長軟骨が障害されることもあります。
少年期の内側型野球肘の予後は比較的よいですが、通常は3週間から2ヵ月程度の投球禁止で改善することが多いので、早期にしっかり安静を第一として治癒した方が結局は早期復帰につながります。
成人以降の靭帯損傷型では早期にしっかりと治療しておかないと、ポジション変更が必要になることもあるので注意が必要です。
『外側型』は離断性骨軟骨炎というのが正式名称で小学生高学年に多く、上腕骨小頭という部分の骨が軟骨とともにはがれてしまう状態になってしまいます。
中等度以上の離断性骨軟骨炎では関節面が障害されるため、関節可動域の減少などの後遺障害を残すことが多く見られます。
まだ骨が幼弱なうちに過度の負荷がかかってしまうことが主要因なので、小学生で変化球が禁止なのはこの障害を減らすことも目的の一つであるとされています。
『後方型』は肘頭という部分の成長軟骨が牽引力によって損傷され、疲労骨折を起こしたり、成長線の閉鎖が遅れたりする状態で手術が選択されることもあります。
成長終了後には肘頭周囲に骨の出っ張りが生じ、関節の動きが悪くなったり、尺骨神経を圧迫し指にしびれを生じたり握力が落ちたりする事があります。
■ 『野球肘』の症状と治療。
野球肘の症状としては、内側型では明らかな肘内側の圧痛、腫張、投球時の肘痛、肘の可動域制限、時に小指側のしびれ感が出現します。
外側型では肘外側の疼痛に加え、ロッキング症状を呈することがあります。
後方型では肘後方の圧痛、投球時痛、ロッキング症状を呈します。
治療方法としてはピッチングの休止、患部の安静を第一とし、投球後のアイシングも徹底します。
骨変化が認められる場合は、3ヵ月以上のスローイング動作の休止が必要となります。
手首・肘・肩のストレッチに加え股関節や体幹の柔軟性も必要です。
あと当然ながら投球フォームの改善も行わなくては再発の恐れがあります。
当院では上記に加え手技療法やアキュスコープ・マイオパルスによる痛みの軽減を行いながら早期の回復を目指します。
野球肘は癖になりやすい疾患なので早期に適切な処置が行われるほど、リスクを回避できるのでお悩みの方はご相談ください。